FPは相談業務と営業活動のどっちが本業なのか
ファイナンシャルプランナー(FP)といえば、「保険の営業マンでしょ?」なんて思ってる人も少なくありません。でも実際には、相談を受けるFPと商品を売る営業FPは、似てるようでまったく違う仕事をしています。
同じFP資格を持っていても、働く場所や収益の仕組みが変われば、やることも求められるスキルもガラッと変わるんです。この違いを理解しないまま「FPに相談したつもりが営業を受けてた」なんてことにならないよう、それぞれの役割を整理していきましょう。
企業系FPと独立系FPで違う「お金の稼ぎ方」
FPの働き方は大きく分けて「企業系」と「独立系」の2パターン。このどちらに属しているかで、お金の稼ぎ方も仕事の進め方も変わってきます。
企業系FPは、保険会社や証券会社といった金融機関に所属して働くスタイルです。会社から給料をもらいながら、自社の商品を提案して契約につなげていく。いわゆる営業マンとしての一面が強いんですね。「お客さんの相談に乗る」というよりは、「自社商品をどう売るか」を考えるのが仕事の中心になりやすい。
一方で独立系FPは、特定の会社に属さず、相談料を収入源とするケースが多いです。日本FP協会によれば、FPは「家計のホームドクター」として人生設計をサポートする役割を担っています。商品を売ることより、相談者にとって本当に必要なプランを考えることが優先されるわけです。
提案の「ゴール」がまるで違う
企業系と独立系では、提案のゴール設定も異なります。企業系FPの場合、最終的には「自社商品の契約」が目標になりがち。どんなに良い提案をしても、会社が扱っていない商品は勧められません。
独立系FPなら、保険が必要ないと判断すれば「今は加入しなくていいですよ」とアドバイスできます。特定の商品を売る必要がないから、相談者の状況に合わせてフラットな視点で提案できるんです。
| 項目 | 企業系FP | 独立系FP |
|---|---|---|
| 収益源 | 商品販売による手数料 | 相談料・コンサルティング料 |
| 提案の自由度 | 自社商品に限定される | 幅広い選択肢から提案可能 |
| 主な目的 | 契約獲得 | 相談者の課題解決 |
相談FPと営業FPを見分けるポイント
じゃあ実際に相談するとき、どうやって見分けたらいいのか。ここが一番気になるところですよね。
ライフプランを作ってくれるかどうか
本来のFP業務では、まず相談者のライフプラン表を作成します。将来どんな生活をしたいのか、そのためにいくら必要なのかを見える化するんです。この作業をスキップして、いきなり商品の説明に入るようなら、それは営業寄りのFPと考えていいでしょう。
真っ当なFPなら、家計の状況や将来の目標をじっくりヒアリングして、必要なら専門家のネットワークも活用しながら総合的に提案してくれます。話を聞いた結果、「今のままで大丈夫ですよ」という結論になることだってあるわけです。
「誰が顧客なのか」で変わる視点
営業FPにとっての顧客は、厳密にいえば「所属する会社」です。会社から給料をもらい、会社の売上目標を達成することが求められます。目の前の相談者は大切な存在ですが、最終的には会社の利益につながる提案をしなければいけない立場にいる。
対して独立系FPの顧客は、相談料を払ってくれる目の前の人そのもの。その人の利益を最優先に考えられる構造になっています。だからこそセカンドオピニオンとして、保険会社から提案された内容をチェックしてもらう使い方も有効なんです。
相談とセールスの境界線
とはいえ、企業系FPがすべて悪質な営業マンかといえば、そんなことはありません。きちんと相談者のことを考えて、自社商品の中からベストな提案をしてくれる人もたくさんいます。
問題なのは、FPを名乗りながら相談業務をほとんどせず、最初から商品販売だけを目的にしているケース。金融庁の指導でも、FP業務と保険販売業務は分離するよう求められているんですが、実態としては曖昧なままになっているケースも見られます。
- 面談の大半が商品の説明で終わる
- ライフプラン表やキャッシュフロー表を作成しない
- 他の選択肢を示さずに特定商品を強く勧める
- 相談料ではなく商品契約で報酬を得る仕組み
こういった特徴が複数当てはまるなら、それは相談業務というより営業活動に近いと判断できます。
どちらのFPを選ぶべきか
結局のところ、どっちのFPに相談すればいいんでしょうか。答えは「何を求めているか次第」です。
商品購入前提ならセールス寄りでもOK
すでに「保険に入りたい」「投資信託を買いたい」と決めているなら、企業系FPに相談するのも悪くありません。商品知識が豊富ですし、手続きもスムーズに進みます。営業マンとしての提案力が高い人なら、商品選びの参考にもなるでしょう。
ただしその場合でも、複数社を比較検討したり、独立系FPにセカンドオピニオンを求めたりする余地は残しておいたほうがいいです。一社だけの提案で決めてしまうと、視野が狭くなりがちですから。
人生設計から考えたいなら独立系へ
「そもそも保険が必要なのかわからない」「将来が漠然と不安」といった相談なら、独立系FPのほうが向いています。商品ありきではなく、あなたの人生設計ありきで話を進めてくれるからです。
相談料はかかりますが、不要な商品を買わされるリスクを考えれば、むしろコスパは良いかもしれません。時間とお金を使って「何も買わなくて大丈夫でした」という結論を得られることにも、十分価値があるんです。
資格だけで判断しないこと
注意したいのは、FP資格の有無だけで信頼度を判断しないこと。資格を持っていても営業寄りの人はいますし、逆に資格がなくても誠実なアドバイスをくれる人もいます。
大事なのは「この人は誰のために働いているのか」を見極めること。相談料で稼ぐのか、商品販売で稼ぐのか。その違いを理解したうえで、自分に合ったFPを選んでください。
「FP=保険屋」というイメージが根強いのは事実ですが、本来のFPは人生設計のパートナーであるべき存在。相談業務と営業活動、どちらに軸足を置いているかで、受けられるサービスの質も変わってきます。あなたが本当に必要としているのはどちらなのか、しっかり考えてから相談先を決めましょう。